小手を受ける時(また突く時ともに)非常に重要なことは、ターゲットは心臓であるということを忘れてはならない。元立ちは小手で自分の心臓をカバーしようとし、それが有効打突となる。
表、裏、そして下ともに、掛かり手は同じ動きをする。
31秒からの映像でわかるように、基本の練習の時でさえ、元立ちは小手の隙を作らないまま、号令をかけ始める。これを正しく行うためには、元立ちは号令をかけ(最初は「小手を突け」、続く動作には「同じ」)、掛かり手が突くときに小手を受ける位置に手を動かし、表の突きから心臓を守る。これは、掛かり手にとって、ターゲットとの距離が変化する状況で、その距離感を正しく掴むのに役立つ。
元立ちは、小手が心臓をカバーしない位置に手を置かないよう注意しなければならない。もし小手が高すぎたり低すぎたり(ビデオ40秒参照)、左右どちらかに外れている場合、掛かり手がそこを突いても有効打突にはならない。
理想的には、元立ちの動きは、試合で起こることを想定し再現するべきである(ビデオ37秒参照)。掛かり手は表に攻め、元立ちは表の突きを防ごうとする。
小手を防御のために動かすとき、前の手をやや後ろに、後ろの手をやや前にスライドさせても良い(ビデオ50秒参照)。
小手を突くことは、肩を突くよりも距離が近い(手首の厚さだけ距離が近くなる)ことに留意する。元立ちは手首で突きを受けとめ、その勢いを吸収したい。そのためには、突きを受ける瞬間に小さく後退することである(ビデオ1分4秒参照)。
私が思うに、この練習をするとき、元立ち・掛かり手ともに基本動作を完全にマスターするまでは、全力で突かないほうがいい。手首への悪い突きは苦痛を伴うことがある。銃剣道の小手は、剣道の小手に比べて、親指部分のベースに余分にパッドが入っている。剣道の小手を使っている場合、プロテクションが十分でないため危険である。なぎなたの小手については、問題外である。
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