クララの銃剣道の旅 51〜54日目

2017年9月10日

日曜日−稽古はないけど、明らかに棒からは解放されない一日。エバとサイモンは伊丹の修武館道場に天道流の稽古に行った。古流である天道流は本当に素晴らしいが、とても複雑でたくさんの武器と技を使う。私は、そこで稽古をしていた数人の女性(と顔見知りの二人の白人男性)の動きにすっかり魅了されてしまった。その中の何人かは、素敵なおばあちゃんという感じだったが、薙刀、杖、木剣などを軽々と見事に美しく使いこなすのだ。ワオ。

数時間後、私たちは大阪を経て京都に行った。この有名な都市を観光するためだ。嵐山の山々、川、猿、そして竹林を回って、本当に楽しかった。何故かわからないが、稽古のない日に私たちは山歩きばかりしている。そして足が痛くなって、もうこれ以上歩けないって毎回思うのだ。はぁ。

 

2017年9月11日

今日は先生の家の車道で稽古した。普段着で稽古するのはいいことなのだ−意外かもしれないが、稽古着と袴が間違いを覆い隠してしまうことがあるのだ。稽古着の袖は緩いので、肘を伸ばしきっていたとしても外からはわからないし、袴の下で腰や膝が変なふうに動いても見えないのだ−動きの途中で止めるのは難しい。そんなわけで、普段着の私たちの基本動作は再度確認され修正された。いくら練習してもきりがない!

雨が降ってきたから、先生はシートを用意して、私たちが練習を続けられるようにしてくださった。アキラは普通の日本人より背が高いが、幸運にも銃剣道は膝を曲げ、足を離して開くことが必要なので、彼の身長は(貴重な)数センチ低くなる。たくさんの銃剣道の形をし、銃剣対短剣の形で終わった。銃剣対短剣の形をやった時は笑ってしまった。だって、今まで一度しかやったことがなくて、正しいやり方が分からないのだ。これに関してはバティスト先生のビデオがとても役に立っている。

2017年9月12日

今日も銃剣道を集中的に行う。たくさんの基本行ったほか、間合いを図り、センターをコントロールするテクニックを練習した。私にとって大変興味深い練習だった。なぜなら、私は武道(試合)の経験が乏しく、それらを本能的にできないのだ。通常私たちが行う練習の他に、私には取り組むべき問題がある−右肘(ともすると自分の体の後ろに折れ曲がっていこうとする)、姿勢(半身になり、腕を伸ばして前傾になることによって最大の距離が稼げる−ウエストを曲げて前傾になるのではなくのはなく、正しい方法で)。本当に少しずつではあるが、なんとなく進歩しているとは思う。次に面をつけ、同じような練習をした。

面を着けての練習での問題点は(メン(男たち)との練習になんの問題もないわ、彼らは優しくてハンサムだし!)、面が大きすぎ、また新しいために、紐が自分の肩に引っかかって頭がうごかせなくなることだ−面の中で自分の頭も動きまくるし)。時に面は私の視界をひどく妨げ、相手が見えないことすらある−結果、私は餌食になってしまう。それに礼をした後、頭を面の中で安定させ半身に構えるまで、私を間違いなく間抜けに見せるのだ。次に、30秒から5秒程度の短い戦いをたくさん行った。私の弱点は、メンタルの弱さである。強くなるにはもっと経験を積まねばならない。そうすれば身体的にももっと強くなるはずである。まったく先は長い。最後に銃剣道と短剣道の形を行った。順番はもう完全に覚えている。あとは”ただ”磨きをかけるだけだ。

 

2017年9月13日

私が言うところのバスケットボール道場での稽古。ということは、たくさん動くことを意味している。場所がとにかく広いからね。今日の稽古は六人で行った。京都から戻ってきたクラウディアと、効果的に突き刺す練習をする。基本練習は、自分の問題点と向き合うのに最適だ。今回は、より強く正確な突きができるよう、手の前に足を動かさないよう注意しながら行った。そうしたら、違いがわかった! 間合いの稽古も行った。小さな足捌きでターゲットに迫る。この練習を防具(面も)を着けて繰り返し行った。最後に一本勝負で、相手を変えながらいくつかの短い試合稽古をしたが、これは練習したテクニックを試すのに良い機会となった。コントロールされた環境の中で、何が有効で何がそうでないのか、良い構えができているのか、それとも隙ばかりで狙われやすいのか、程よい突きの間合いと、どうやってそこに到達するかを確認した。

先生とエバとサイモンは、私たちのそれぞれの問題をよくわかっていて(問題が山ほどあることを私もわかっている)、それを私たちに自覚させようとしている。すごく役立っているし、感謝している。相手の動きに的確に反応して正しい突きができたとき、突如何かを悟って、トンネルの向こうにライトが見える瞬間がある。そういう瞬間がもっと定期的に訪れるようにならないといけないし、願わくばより本能的に悟りたいと思う。私はまた、構えがいくらか自然になったと思えるようになった−ということは、それはまた調整されるということを意味しているのかもしれない−私が快適になるやいなや、誰かがまた私が基本さえできなくなるような位置に構えを修正し、また初めからやり直して、その中でまた自分のバランスとテクニックを構築し、それをまた直される…。

 

これは、銃剣道ワールドの翻訳者でゲストライターのクララによる目下進行中の連載である。銃剣道を始めたばかりの彼女と、彼女のパートナーであるルーカスが、3ヶ月に渡る日本滞在の中で、銃剣道の稽古をしていく様子を定期的に投稿する。

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