コメント:サイモン・ラースン
試合前の稽古で、久恒先生が強調したことが二つある。一つ目は、理由なく短剣を上下に振ることは、相手に自分のタイミングの感覚を知らせてしまうということ。二つ目は、ただ立っているだけのときは、相手に間合いをコントロールされてしまうということである。
実際、この二つのことを滝沢は行なっており、対する国重はほぼ一本を取れそうだった。1回目の突きは入ったが、少しだけ滑ってしまった。
滝沢が小手を打ったとき、彼は短剣を非常に低く落としたことで、国重に一本を決める隙を与えてしまった。
試合再開直後、滝沢は短剣を振ることをやめ、常に小さな足さばきで距離をコントロールし始めた。1分31秒、国重は距離の主導権を取り戻そうとして後退し始めたが、姿勢をキープすることができず、1分49秒に失敗してしまった。彼は強力な攻撃を行うことができず、1分52秒に滝沢は手堅い攻めで一本を取った。それぞれの攻撃の後で、滝沢がどれほど後退したか注目してほしい。彼は後退するとき歩幅が大きくしっかりしており、足を先に出してから重心を移動している。それによって、次の攻撃も素早くできたのだ。
滝沢はこの流れで距離をコントロールし、判定で勝った。
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