コメント:サイモン・ラースン
アレックスは前日に利き手を怪我をしており、腕に固定具を着けていた。幸運なことに、彼の相手は分厚い昔の胴布団を使っており、そのタイプの胴布団は体をがっちり保護してくれる代わりに、動きが非常に制限される。おそらく、これで少しは両者が対等な状況に近づいたのではないかと思う。
アレックスの最初の胴突きは(28秒の映像、これが一本にならなかったことに驚いた)、手首が短剣の上にきており、短剣道での正しい面のやり方に似ている。 結果的に、彼の短剣は打突部位から下に外れたため、一本にならなかったのだと私は確信している。
私が思うに、胴への突きの正しいフォームは、短剣が手首よりも上になっている状態なのだろう。水平の場合は正しくないようだ。喉への突きの時は、腕のラインと短剣のラインは同じでなければならず、面のときは手首が短剣より上の位置になる(相手が背が高い場合は難しいのだが)。
この攻撃で、アレックスは一つ学んだ。彼の相手は、面や喉など体の高い位置の攻撃を好み、残心も短剣を上げながら行うことが多いということだ。上への攻撃が多いということは、胴に隙が生まれ、打った後に短剣を上げると、一本が取れないことがままある。面を攻撃するときは、面の高さに短剣をキープすべきであり、残心は中段で行うべきだ。これは小手や喉にも言えることである。
アレックスは、相手が高い位置にいがちなことを利用した。52秒、スローモーションの映像を見れば、久恒先生の仰った胴と喉の距離についてのアドバイスを思い出すだろう。アレックスはタツヤより6インチ速く攻撃を決めている。
試合再開後、アレックスは小手へのフェイントをかけ、相手の「高く行きがち」な反応を引き出した。彼は次の小手へのフェイントの後、胴を突いた。実際、アレックスはラッキーだったと思う。というのは、フェイントのタイミングはあまり良くなく、タツヤはアレックスの喉を狙ってきて、距離的には喉への突きが近く、タツヤの短剣が喉を突くほうが先だったが、アレックスにとっては幸運にもタツヤの攻撃は外れたからだ。フェイントをかけた後、アレックスは短剣を低く下げすぎたように思う。また、タツヤが攻撃の態勢に入っているときにフェイントをかけてしまったことや、胴を安全に突くために十分に半身でなかったこと。これらが重なってしまったのだと思う。
今日の大会で、最初の外国人の試合だった。
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