第17回全日本短剣道大会 男子個人戦 第33試合

コメント:サイモン・ラースン

私は審判ではないので、これはあくまで試合を見た私の感想である。

バティストは制体技が好きで、最初の胴への突きが決まらなかった場合、制体技をよく使う。私もこの技が大好きで(しかし、あまり使うことができない)、こうすることにより、敵の心に防御の技を使うことを躊躇わせることができる。試合開始直後にこれを行うのは良い作戦だと思う。

尊は、制体技を止めるための伝統的な「抱きしめ」作戦を試みたが(00:37)、残念ながら一本には至らず、その後、彼は出ばな技を使い始めた(46秒と49秒。後者はもっと良かった。この突きは決まらなかったが、バティストはラッキーだったと思う。)

尊は、自分はもっと動けると思い、反撃をするよりは積極的に自分から攻めて行く作戦に切り替え、一本を決めた。相手の切っ先の周りを小さな円を描くように動き、それによって相手の竹刀がセンターから外れた時に、突如として素早く相手の隙を突いた(1分21秒)。私はこの技が好きだった。尊は肩で制体技をブロックしていた。そのほうが、相手が制体技に失敗した後、隙が生まれやすいのだろう。

バティストはそれによく反応し、主導権を取り返そうとしたが、尊は常に攻撃を続けることで主導を渡さず、バティストの動きが遅くなる中、速い多様な攻撃を加えた。

上段で構えたバティストに尊は明らかに困惑していた。私自身、試合では見たことがなかった。尊は集中力を切らさず、素早く出ばな技を繰り出した。彼は出ばな技が好きなのかもしれない。これにより、尊はバティストに乱されたであろう精神状態から落ち着きを取り戻した。

2分30秒、尊は体力を失いつつあり(試合の間じゅう走り回るのは疲れる)、より直接的なシンプルな技を使い始めたが、どの技も決まらず、結局彼は最初の一本のみで試合に勝った。

試合を見て感じたことは、一本はカウンター攻撃の場合に取れることが多い。また、攻撃の後、相手の姿勢が崩れた場合に一本がより多く与えられている気がする。姿勢良く立って、運動量を多くすることが一本を取る秘訣かもしれない。

 

惜しかったポイント:

49秒:短剣が銅の上を滑った。

1分34秒:やや見にくいが、バティストは同時に突いている。

1分45秒:突きは入ったが、尊は敵の近くにいすぎたため、審判は誰一人として身じろぎもしなかった。残心があれば一本になったかもしれない。

2分54秒:なぜこれが一本にならなかったのか分からない。

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