はじめに:ここに記す形の説明は、AJJFのビデオと『剣道ワールド』の記事を元にライター自身が独自に解釈を加えたものである。専門用語の使い方が正確でない場合もあると思うが、わかりやすさに重点を置いているためである。間違いがあった場合はライターの責任であり、銃剣道ワールドはそれに関与していない。
短剣対刀は6つの形からなる。一本目から三本目は短剣道家が勝ち、四本目から六本目は剣士が勝つ。バティストの記事(2011年『剣道ワールド』vol.6.2 )に興味深い記載がある。これらの形は、剣道の形に大きな影響を受けており、銃剣から外した短剣は、切るよりむしろ突くことを目的に作られていることを留意しておくべきだ。
解説の方法として、各形は二つのパートに分けられる。まず詳細を記した長いバージョン。そして「長過ぎて読まなかった」(TLDR)バージョンは、キーポイントだけを記載した。詳細バージョンは2段落から成り、最初の段落は形の重要なテクニックについて書いている。第二段落は全ての形においてほぼ同じである。
形は、両者とも9歩の距離・中段の構えから始める。打方と仕方の役割が途中で変わるので、わかりやすいように短剣道家と剣士と表記する。
一本目:喉の突き-先
短剣道家は中段入身、剣士は下段の構えで、前足から大きく3歩前進して間合いに入る。短剣道家は剣士の起こりに乗じ刀を下方に押さえ、機を失せずに剣士の喉を突く。短剣道家は大きく1歩後退しながら引き抜く。短剣道家は小さく前進し残心を示す(このとき短剣の剣先は剣士に向かう)。剣士は短剣道家を導きながら両者中段に構える。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:短剣道家中段入身。剣士下段。3歩前進。短剣道家=下に押さえる。短剣道家=喉。短剣道家=後退。短剣道家=残心。剣士=中段に導く。下段。5歩後退。中段。
二本目:制体胴の突き-先先の先
短剣道家は中段入身、剣士は下段の構えで、前足から大きく3歩前進して間合いに入る。剣士は最後の1歩は少し短縮して間合いの外に止まる。短剣道家はわずかに前進しながら剣士の刀を右に押さえて入身しようとする。剣士は後方にさがりながらこれを脱して短剣道家の胴を突く。短剣道家は機を失せず前に出ながら刀を左下方に打ち払い、左足を前に踏み換えながら、左半身になり左手で剣士の左肘関節のやや上部を左下方に制体して胴を突く。短剣道家は注意深く後退しながら残心を示す。両者中段に構えに戻る。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:短剣道家中段入身。剣士下段。3歩前進。剣士、最後の1歩短く。短剣道家=前進し、右に押さえる。剣士=後退。剣士=胴。短剣道家=左下方に刀を押さえ、左腕を制体し胴。短剣道家=後退。短剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
三本目:面を防ぎ制体突き-先先の先
短剣道家は中段入身、剣士は下段の構えで、3歩前進する。剣士は最後の1歩は少し短縮して間合いの外に止まる。短剣道家はわずかに前進しながら剣士の刀を上方から押さえて入身しようとする。剣士は短剣道家の入身に応じ、右足を後方に引き脇構えとなり直ちに右足を踏み出し面を打つ。短剣道家は短剣で剣士の刀を下から前上方に押し上げると同時に、左手を右手首の前に十字に交差し、左手で打方の左手首を握り右足を後ろに踏み換えながら左下方に制体して胴を突く。短剣道家は注意深く後退しながら残心を示す。両者中段に構えに戻る。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:短剣道家中段入身。剣士下段。3歩前進。剣士、最後の1歩短く。短剣道家=前進し、下に押さえる。剣士=後退し脇構え。剣士=面。短剣道家=腕を交差させブロック、左腕を制体し胴。短剣道家=後退。短剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
四本目:喉の突き-先
短剣道家は中段入身、剣士は下段の構えで、3歩前進して間合いに入る。剣士は短剣道家が右から刀を押す起こりに乗じて右後方に体を開き、踏み込んで喉を突く。剣士は大きく1歩後退しながら引き抜く。剣士はは小さく前進し残心を示す(このとき剣先は短剣道家に向かう)。両者中段の構えに戻る。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:短剣道家中段入身。剣士下段。3歩前進。短剣道家=右から刀を押さえる。剣士=右後方に後退。剣士=喉。剣士=後退。剣士=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
五本目:入身に対する面の打ち-後の先
短剣道家は中段入身、剣士は下段の構えで3歩前進して間合いに入る。短剣道家は最後の1歩は少し短縮して間合いの外に止まる。短剣道家はわずかに前進しながら剣士の刀を上方から押さえて入身しようとする。剣士はこれに応じわずかに右後方に体を開いて間合いを外し、機を失せず進出して短剣道家の面を打ち、大きく1歩後退しながら左上段になり残心を示す。両者中段に構えに戻る。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:短剣道家中段入身。剣士下段。3歩前進。短剣道家=下に刀を押さえる。剣士=右後方に後退し上段。剣士=面。剣士=残心。剣士=左上段。中段。下段。5歩後退。中段。
*this needs clarification – the article states moving into hidari jodan however the latest video reference I have shows simply the withdrawal backward after zanshin.
六本目:上段からの面打ち-後の先
剣士は諸手上段、短剣道家は剣士の左拳に剣先を指向して構え、3歩前進して間合いに入る。短剣道家は剣士の左拳を攻めながら入身しようとする。剣士はこれに応じ右後方に体を開いて間合いをはずし、機を失せず進出して短剣道家の面を打ち、残心を示しながら後退する。両者中段に構えに戻る。
両者ともに下段の構え。後ろ足より5歩後退。中段の構えに戻る。
TLDRバージョン:剣士左上段。短剣道家、剣士の左拳を指向して構え。3歩前進。短剣道家=剣士の左拳を攻める。剣士=右後方に後退し上段。剣士=面。剣士=残心。剣士=左上段。中段。下段。5歩後退。中段。
**this needs clarification – the article states Kenshi simply withdraws backward after zanshin however the latest video reference I have shows the retreat while moving into hidari jodan.
※現在進行中の入門ガイドは、『銃剣道ワールド』のビデオ編集者であるエミリー・ジャックマンによるものである。彼女は「銃剣道メルボルン・グループ」と「ヴィクトリアンなぎなた連盟」を主宰しており、オーストラリアなぎなた連盟の副会長でもある。新しいなぎなたと銃剣道に加え、キーリー先生の元で戸田派武甲流も学んでいる。
このガイドは、銃剣道メルボルンのフェイスブックにも掲載されている。
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