銃剣道はシンプルである。しかし…

アダマ ビエニアクk

2017年5月、ポーランドの武道家達は、Białystokにおいてポーランドで初開催となる銃剣道セミナーに参加する機会に恵まれた。名古屋の寺田先生(8段範士)の指導のもと、同セミナーは銃剣道を体験する最高の機会となった。スティーヴ・ケルシー(イギリス)、サイモン・ラースン(ニュージーランド)、エマ・ミエンコブスカ(ポーランド)、ユルカ・フィン(ドイツ)ら世界中から駆け付けた銃剣道経験者が寺田先生をサポートした。

 

銃剣道に関するインターネット上の情報は極めて限られており、試合の映像が少しと、2、3のウェブサイトのみで、剣道に比べるとその情報量はかなり少ない。私が初めて銃剣道の存在を知ったのは2、3年前のことであるが、YouTube で見た銃剣道のスピードと正確な攻撃及び動きに大変驚かされた。間合いは剣道よりずっと近く、その結果、テンポはより速い。その映像を見た直後、私は思わずこう呟いた。「すごい、いつか絶対に銃剣道をやってみたい。」

 

そして、2017年3月、剣道を始めて2ヶ月後、銃剣道のセミナーが5月にBiałystokで開かれるという発表が道場であった。「参加したい人は?」という声に、私はそのセミナーに行けるかどうか確実には分からなかったが、無意識に手を上げていた。

 

結局、私はセミナーに参加することができた。ワルシャワ剣道クラブの先輩5人と一緒にBiałystokまで赴き、銃剣道がどんなものなのか自分の目で確かめるために。寺田先生は非常に的確に教えてくださる素晴らしい指導者で、持てる知識を生徒に確実に伝える銃剣道の模範的な体現者であった。先生は、そのお人柄も実に明朗で活力に満ちており、自分が80歳になった時に、先生の半分でも健康でいられたらと願わずにはいられなかった。

 

今回のセミナーの参加者は20人以上おり、ポーランドのワルシャワ、Poznań、 Białystok、 Lublinや、国外ではリトアニアやドイツからの参加者もいた。我々はほとんど一つのグループで練習し、銃剣道の動きの流れを把握し、そして少数グループに分かれ、銃剣道経験者の監督のもとに復習を行なった。本当に楽しかった!

新しい動き、姿勢など覚えなければならないことのほかに、私を悩ませていたのが防具だった。私の荷物の中にはセミナー直前の金曜日に手に入れた新品の防具セットが収まっていた。私はどうやってそれを身に着けていいのか全く分からなかったが、先輩が素早い防具の着け方を見せてくれたので有り難かった! 垂と胴を最初に着けた時は、その「本物感」がとても嬉しく思えた。籠手は最初は硬く感じたが、使うほどに柔軟性が増すはずである。だが、面は? これはまた違う話である。

稽古の終わりの頃に、先生は地稽古をしたい人を募った。面を着けるとどうなるか理解する前に(先輩が面を着ける手伝いをしてくれた)私の手はまた無意識に上がっていた(私はダーウィン賞の候補になれると思う)。もちろん、今は小さなケージに閉じ込められるというのがどういうことか分かっている。個人的には、防具を着けて行う武道の活気というのは、タイトなヘルメットを身につけるということから来るのだと思う。閉じ込められ湧いて来る怒りを一番近い物体にぶつけて、それを発散するのだ。

 

それでも、とても楽しかったことには変わりない。1秒の何分の一かの時間の中で、相手を突き(突こうとし)、相手から突かれる(実際かなり突かれた)。これまで稽古してきた剣のフォームとは全く違う経験ができた。好機はなかなか少なく、銃剣道経験者ですら一瞬で正確な攻撃を繰り出すことは困難なようだった。私は3回の地稽古を行い、汗びっしょりになった。

 

銃剣道の原理は非常にシンプルである。しかし、他の武道と同様に、シンプルさイコール易しさになるわけではない。「突き」という一つのテクニックを、完璧を目指し繰り返し稽古することによって、正確なポイントを狙えるようにするのである。銃剣道はシンプルであるが、同時に大変難しい。もし機会があれば、ぜひ体験してみることをお勧めする。

アダムさんは18歳から居合道を始めました。彼は12年間後に居合道と杖道で4段を取得しました。現在剣道も始まりました。暇な時にも熱心に武道をします。

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