はじめに:ここに記す形の説明は、AJJFのビデオと『剣道ワールド』の記事を元にライター自身が独自に解釈を加えたものである。専門用語の使い方が正確でない場合もあると思うが、わかりやすさに重点を置いているためである。間違いがあった場合はライターの責任であり、銃剣道ワールドはそれに関与していない。
これは木銃対短剣の形の大まかな手引きである。いくつかの映像での演武を見ながら、そこで何が行われているかを解説して行く。『剣道ワールド』のバティストの形の記事(2010年『剣道ワールド』vol. 5-3)も参考にしている。最初の3つの形では木銃が勝ち、後半3つの形では短剣が勝つ。一本目から三本目は、木銃が仕方、短剣は打方となり、四本目から六本目は逆になる(短剣が仕方、木銃が打方)。混乱を避けるため、このガイドでは「仕方」「打方」の言葉を使わず、「銃剣道家」「短剣道家」と表記する。
一本目:直突-先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで3歩前進して間合いに入り、銃剣道家は短剣道家が入身しようとする起こりに乗じ機を失せず胴を突き、大きく後退しながら引き抜く。銃剣道家は小さく前進して残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。銃剣道家=表。銃剣道家=後退。銃剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
二本目:脱突-後の先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで3歩前進して間合いに入り、短剣道家は機を失せず銃剣道家の木銃を右に押さえて入身しようとする。銃剣道家は右後方に体を開きながら短剣を脱して胴を突き、大きく後退しながら引き抜く。銃剣道家は小さく前進して残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。短剣道家=前進し右へ押す。銃剣道家=右後方に体を開く。銃剣道家=表。銃剣道家=後退。銃剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
三本目:喉の突き-後の先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで3歩前進して間合いに入り、短剣道家は機を失せず銃剣道家の木銃を上方より下方に押さえて入身しようとする。銃剣道家は右後方に体を転じながら短剣を脱して喉を突き、大きく後退しながら引き抜く。銃剣道家は小さく前進して残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。短剣道家=前進し下へ押す。銃剣道家=右後方に体を転じ、木銃を下げる。銃剣道家=喉。銃剣道家=後退。銃剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
四本目:制体突き-先先の先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで、3歩前進して間合いに入り、短剣道家は機を失せず銃剣道家の木銃を右下方に押さえて入身し、右足を前に踏み換え、左手で打方の両手の中間を木銃の上方から押さえ、制体して胴を突く。短剣道家は残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。短剣道家=前進し右へ押し、さらに進んで木銃を掴む。短剣道家=胴。短剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
五本目:制体突き-後の先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで、3歩前進して間合いに入り、短剣道家は機を失せず銃剣道家の木銃を右に押さえて入身しようとする。銃剣道家は後方にさがりながらこれを脱し短剣道家の胴を突く。短剣道家は機を失せず木銃を左下方に打ち払い左足を前に踏み換え、左手で銃剣道家の左肘関節のやや上部を左下方に制体して胴を突く。短剣道家は残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。短剣道家=前進し右へ押す。銃剣道家=後方にさがる。銃剣道家=胴。短剣道家=左へ押し、左肘を掴み制体、胴。短剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
六本目:制体の突き-後の先
銃剣道家下段、短剣道家中段入身の構えで、3歩前進して間合いに入り、短剣道家は機を失せず銃剣道家の木銃を後方に押さえて入身しようとする。銃剣道家は後方にさがりながらこれを脱し短剣道家の喉を突く。短剣道家は機を失せず下方から木銃を払い上げながら入身し、左手で銃剣道家の左肘関節のやや上部を握りこれを押し上げ、制体して胴を突く。短剣道家は残心を示す。
両者中段の構え。両者同時に下段の構え。5歩後退し中段に戻る。
TLDRバージョン:銃剣道家=下段。短剣道家=中段入身。3歩前進。短剣道家=前進し下へ押す。銃剣道家=後方にさがる。銃剣道家=喉。短剣道家=上へ押し、左肘を掴み制体、胴。短剣道家=残心。中段。下段。5歩後退。中段。
※現在進行中の入門ガイドは、『銃剣道ワールド』のビデオ編集者であるエミリー・ジャックマンによるものである。彼女は「銃剣道メルボルン・グループ」と「ヴィクトリアンなぎなた連盟」を主宰しており、オーストラリアなぎなた連盟の副会長でもある。新しいなぎなたと銃剣道に加え、キーリー先生の元で戸田派武甲流も学んでいる。
このガイドは、銃剣道メルボルンのフェイスブックにも掲載されている。
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