キュウリ、キュウリ! 私の短剣練習用のキュウリ!

エミリー・ジャックマン

多くの様々な理由から、大抵の人はその武道人生の中で自主練の経験があると思う。単純に稽古相手がいなかったり、稽古と稽古の合間に予習復習をしたりと、自主練をすることは普通のことだ。そんなわけで、今回は私自身の自主練方法について述べていこうと思う。

 

武道において反復練習は非常に大切だ。動きを筋肉に覚えさせることが重要になる。家で練習すると気が散ることが多い。疲れてしまったり、やる気を失ったとき、どうやってこの反復練習をするべく心を奮い立たせるのか。私は自分自身をやる気にさせる方法を探した。

 

役に立つのが、直立したサンドバッグだ:スペースを取らないし、高さも調節できる。突きの練習にはもってこいである。コンパクトな割には突いた時の感触もいいし、集中力をキープできる。特にイライラしている日は最高! サンドバッグを手に入れる前は、2つの選択肢があった。

壁につけてソファを置き、そこにクッションを直立させ、突く。または、丸めた布を壁かドア枠に取り付け、突く(漆喰の壁を突くのはやめたほうがいい。修理をすることになるからね)。もっと簡単なのは、古いソックスを丸めて的にするとか。

どちらの方法も、それぞれ突いたときの感触や的のサイズが違うので、自然と繰り返し練習できる。もし、本当に突きたい欲求があるなら、的をその突きたいもので覆ってしまうのも手だ。例えば、来たばかりの請求書とかね。ビートの効いた曲をかけてやれば、ずっと突きを繰り返せそうな気がしてくる。

自分の音楽をかける:実は「銃剣道ワールド」のために考えているのだが、いくつかのエクササイズを音楽に合わせて作れたら、皆音楽に合わせて自主練できて面白いと思う。今ちょっと後回しにはなっているが、いくつかの形について、自分で録画してみた。教本を書き直し、どうやって視覚化したいかを考え、もう一度読み直し、練習相手の反応を見る。このプロセスは自分自身が学ぶ際にとても役立った。結果的に、いくつかの違うバージョンを録画した。両者の動きを説明した長いバージョンと、最小限の説明を加えた短めのもの、それから一言二言を加えただけの(自分の記憶を確かめる目的で)ノーマルスピードに近いバージョン。やるうちにコツを掴んできて、短めのバージョンを使うことにした。

 

踏み込みステアマスター:私の元々の武道のバックグラウンドは、剣道というよりはなぎなたであるから、踏み込みが全く上手くない。復讐をしようとする幽霊のように、静かに滑るように床を進む代わりに、恨みを抱いているかのように床に足を叩きつけるのは、私にとって非常に難しいのだ。ゆえに、時々足捌きのような基本中の基本動作に集中することは有益なのである。横須賀のセミナー中、私が繰り返し行ったのがステアマスター踏み込みである。一段でも段差があれば練習できる(注)。段の近くに真っ直ぐに立って、段の上に踏み込めば良い。ただその時に次のことに集中すること:

−膝は常に緩めておく。

−動いても、腰の高さは常に同じ高さにする。

−踵に体重がかからないように。踵は床の上に軽く触れているようにする。

−押し出す力は、後ろ足のボールからくる。

−腰が後から付いていくことのないよう、腰と足が一緒に動くように留意する。

 

(注)平らな場所でもできるが、例えば玄関などの段差を使って練習することによって、踏み込む力の入れ方がわかりやすくなる。

 

代替用具:稽古に必要な用具を持っていない場合、例えば自宅で練習したいが、木銃や短剣が他の場所にあるということもあるだろうし、忘れないうちに復習したいこともあると思う。そんな時に参考にしてほしい。

本:本って素晴らしい。小さくて簡単に持ち運べて、どこにでもあって、読書の楽しみを与えてくれる。片手にそれぞれまあまあ重い本を持てば、銃剣道の突きの練習ができるのだ。一冊しかないって? そんな時は構えを変えて、短剣道の練習をしよう。本のいいところは、様々な重さのもので試せるということ。それから、手は本の背を握っているから、傍に回ったりせずに上から正しいポジションで押さえられているという利点がある。

小さなウエート:一個1キロ~3キロ程度のバーベルがあれば、それも練習に使える。最初から重いバーベルはおすすめしないが、トレーニングを重ねるうちに重いものに変えていけばいい。ダンベルの重さで、単純に肩が上がるのをおさえられる。足首用のウエートがあれば、それを手首に使うことで同じ効果が得られる。

モップや箒の柄:これを使うことは、元々なぎなたの人たちの為に考えたのだが、銃剣道にも使える。構えや角度は必ずしも正確にいかないかもしれないが、手をリラックスさせておけば突きの動きを練習できる。

野菜かごをあさる:大きなズッキーニかきゅうりは短剣のかわりになる。しかも練習中にひどく破損しなければ、稽古後に美味しく食べられる。

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