踏み込み

銃剣道での踏み込みは大変重要で、私がこれまで経験した他の武道とは少し違いがある。今回の踏み込みの指導は久恒先生にお願いした。

久恒先生の歩幅はとても小さく、後ろ足は非常に素早く引き付けている。この動作の間は攻撃されやすいので、素早く動きを完結することが大切である。

銃剣道における異なる間合い(近間や遠間など)の違いは、例えばなぎなたと比べると非常に小さい。つまり、遠間から打間へ一歩で移動することになる。大きく一歩踏み出せば、打間を越えて近間になり、相手が打ち込める範囲に入るのだ。この場合は、素早い小さい足捌きで数歩移動するやり方のほうが良い。

理想的には、重心を水平に保つのが望ましい。重心が上下すればするだけ、攻撃されやすくなり、通常は足捌きが遅くなる。脚の関節をリラックスさせることによって、動きはより良くなるだろう。

脚をリラックスさせると、何かあった時に構えからすぐに攻撃体制に入ることもできる。

後ろ足の親指で床を確実に押せるような角度に足を置くことが重要である。親指で押すことによって、前進するときの素早いフットワークが可能になる。間違った足のポジションから始め、正しい位置に足を置き直してから一歩を踏み出すのはやめよう。「送り」をすることによって、何かするだろうと相手に察知させてしまう。これは一旦癖になると改めにくいので注意しよう。

映像の27秒、前膝の水平の動きに動作に注目してほしい。久恒先生は大きい速い足捌きをしているが、足を踏み鳴らす目的で膝を上げていないことが見て取れる。

54秒、ルーカスは後ろの踵をしっかり地につけているが、次の一歩では、後ろの踵が上がっていて、後ろの膝の曲がりが大きく、その結果バランスを欠いた姿勢になっている。どちらも理想的ではない。後ろ足にも体重はかかっていなければならない。

後ろ足を素早く引きつけるという感覚を掴むために、久恒先生は次のような練習方法を提案した。ボールを蹴るようなつもりで何回かキックし、その感覚を保ちつつ同じ動作をやってみる。ただし、蹴った足が前に出る前に止めるのだ。この練習は、体を跳ねさせないためにも役立つ。久恒先生がこの練習方法を使ったのは、サッカーW杯に丁度ポーランドが出場を決めたため、ポーランド人はサッカーが上手だと思ったからかもしれない。

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