形:木銃対木銃1:直突

形において、初めに動作を起こす側を打方、技を行う側を仕方と呼ぶ。

木銃対木銃の形は九歩離れたところから始める。

 

基本動作:

中段の構え。

三歩進み、一足一刀の間(木銃は10センチ交差)。

打方は打ち掛かかろうとし、これにより、表へのほんの少しの隙ができる。これはほとんど気付かれないほどの小さな動きである。何よりも手の筋肉を緊張させることによって行う。

仕方は即座に隙を捉え、上胴を突く。

引き抜き残心は、仕方が大きく一歩後退するところから始まる。木銃の先は互いに約5センチ離す。

残心は、打方の前の手首を押さえる気持ちで行う。

打方は一足一刀の間に下がり中段の構え。仕方もそれにならう。

互いに中心に戻る(通常この形においてはあまり動かない)。

互いに木銃を下段にする。

互いに五歩小さく下がり、初めの位置に戻る。

中段の構えに戻る。

 

重要なポイントにおけるサイモンの見解:

この形は、先の先の一つの例である。先の先とは、相手の攻撃に先んじて主導権を握るということである。

このコンセプトを実現するためには、打方は仕方にとって完璧な距離を取って始めなければならないと考える。打方は通常、形の間は常に距離をコントロールする責任がある。

私が思うに、仕方は、打方が送りをするやいなや打たなければならない。打方が打ち掛かろうとし、しかし仕方が打つのを止まったまま待たなければならないとしたら、その形は私が理解しているところの先の先を表現することができない。そのテンションは、すぐに打ち掛かからんばかりでなければならないし、そのためには仕方は三歩めに入るやいなや100パーセント打方のタイミングに反応する用意がなければならない。

相手との間合いを詰めるこの三歩の中の二歩めを最終的なものと考えるとより分かりやすいかもしれない。この足は突くときの後ろ足となる。三歩めのことまで考えていると、私は決して良いタイミングで打方を突くことができないのだ。二歩めに集中し、打方の打ち掛かる動作にのみ注目して、三歩めのことを考えずにいれば、より良いタイミングで突くことができる。

私が打方を務める時、バランスを欠いた時に打ち掛かるような気持ちで、隙を作るためのテンションを作り出そうと試みている。地稽古のとき、ターゲットが見えているにも関わらずバランスが悪く打てない時があるが、その瞬間の自分の体の緊張感を再現し、形に利用している。

私が思うに、これまで私がやってきた他の武道と比べて、銃剣道では「送り」のないことの重要性がより強調されている。この形において、学ぶべき核心は、送りがあると打たれるということである。

 

よくある間違い:

打方:自然に隙を作るというよりは、慎重に隙を作る。

仕方:ただ突くというよりは、三歩めの後に足をもたつかせる。

引き抜き残心:小さく一歩後退することによって行う。つまり仕方にとっては残心を行うには安全な距離ではない。

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